ロシア横断9,259km!シベリア鉄道チケット購入方法まとめ【情報】
こんにちは。こちらはシベリア鉄道のチケット購入方法まとめの記事です。約一週間かけて9,259kmを走り、ウラジオストクからモスクワまでシベリア鉄道でロシアを横断した旅。モスクワの後はサンクトペテルブルグまで鉄道で行きました。当時の旅の様子はこちらをご覧ください。
チケット購入準備
シベリア鉄道のチケット購入に必要なもの
シベリア鉄道のチケットを購入するにあたり以下の1つの書類が必要となります。予め用意しておきましょう。ロシアビザの取得方法については『自由にロシアを旅する!ロシア観光ビザ個人申請方法まとめ【情報】』に記載していますので、そちらをご覧ください。
- パスポート※ロシアビザ取得済みのもの
費用
2014年7〜8月当時、ロシアのウラジオストクからサンクトペテルブルグまで3等の片道チケット代は合計39,630円≒13,905ルーブルでした。全て現地で購入しました。
クラス | ルート | 料金 | 移動時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
3等 | ウラジオストクーイルクーツク | 16,687円≒5855RUB | 約75時間 | ・ロシア鉄道 |
3等 | イルクーツクーモスクワ | 18,890円≒6628RUB | 約82時間 | ・ロシア鉄道 |
3等 | モスクワーサンクトペテルブルグ | 4,052円≒1422RUB | 約10時間 | ・ロシア鉄道 |
クラス(車両の種類)について
シベリア鉄道には以下の3種類の車両があります。1等と2等は使いませんでしたが、料金はクラスに比例して高くなりますので、その分快適になるとは思います。
クラス | 呼び方 | 車両の種類 | 料金 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1等 | リュクス | 2人用コンパートメント | 高い | |
2等 | クペー | 4人用コンパートメント | 普通 | |
3等 | プラツカルートヌイ | 開放寝台車 | 安い |
僕は節約型の旅行者(バックパッカー)なので、1等はさておき2等は乗ってみようか迷ったのですが、とりあえず試しに3等に乗ってみて、それで自分に合わなければ次は2等にしようと思いました。上段席か下段席もどちらが良いかは人に寄りますが、下段は日中は座席になるので布団敷きっぱなしでいつでも昼寝できる上段の方が僕は好きです。
実際に乗ってみたところ、3等だからガラの悪い人がいて乗客の質が落ちるとか不潔だとか特にそういうことはありませんでした。女性一人や子どもと一緒に家族で乗られる方もたくさんいましたし、車掌は他の車両と変わらず定期的にしっかり車両内の清掃を行っていました。2等以上は旅行者が主に使うようなので、3等は日常生活の中で利用されている一般の方々の乗車率が高くなるような印象でした。
人それぞれ求めるものは違い、またそれぞれに楽しさがあるので、自分の好きなとこに乗ればいいと思います。まぁでも3等は外国人旅行客が全然いないので、超目立つしすぐ声をかけられると思います。
チケット購入
以下の1つの必要書類の用意し終えたら、運行スケジュール・料金を調べます。こちらの『Russian Trains』が日本語案内もあるので使いやすく便利です。僕自身はこちらで調べて、出発前日に現地の駅の窓口でチケットを購入していました。もちろんインターネットでの予約も可能です。
- パスポート※ロシアビザ取得済みのもの
現地購入
現地でチケットを購入する際は『Russian Trains(日本語)』で運行スケジュール・料金を調べて以下の2つの書類を用意して駅または旅行代理店に行きます。駅のチケット窓口では英語がうまく通じない場合が多く基本的にはロシア語になります。なので予めメモを用意しておくと間違いがないでしょう。
- パスポート
- 希望列車情報を書いたメモ
- 列車番号
- 発車時刻と到着時刻
- 区間
- クラス(車両の種類)
- 料金※ルーブルで
- 席位置(上段席か下段席)
パスポートは忘れずに必ず持参してください。チケットを購入する際に必要ですし、それ以前にロシアの駅では入口で入場検査がある場合もあり身分証明としても必要です。
駅のチケット窓口で上記の書類を見せてチケットを購入します。僕はメモを見せながら「数字」と辞書やガイドブックで調べた「ロシア語」で伝え、最後に念のため「安いやつで頼む」と言って買っていました。時々、英語がわかるロシアの方が翻訳して助けてくれたこともありました。
以上で現地購入は終了です。
インターネット購入
インターネットでチケットを購入する際も『Russian Trains(日本語)』で行います。以下の2つのものを用意しておきましょう。
- パスポート※ロシアビザ取得済みのもの
- クレジットカード(VISAまたはMasterCard)またはPayPal
僕自身はインターネットでチケットを購入したことはありませんが、決済画面までは進めたことがありますので、わかる範囲で紹介したいと思います。
先ず『Russian Trains(日本語)』を開き、区間・出発日・片道か往復・乗客数をリストから選択して赤い『今すぐ検索する』ボタンを押して次に進みます。
次に検索結果で表示された列車の中から希望に合うものを選び、黄色い『座席の選択』ボタンを押してクラスと人数を選び終えたら『続ける』を押して進みます。
実際に乗る方のパスポート情報をもとに乗客情報を入力します。ここで上段席か下段席かを無料で選ぶこともできます。そして、連絡用のメールアドレスを入力して支払い画面に進みます。
最後に、支払い方法をクレジットカード(VISAまたはMasterCard)またはPayPalから選び決済します。僕自身が実際に決済した訳でありませんので、その後のRussian Trainsからの案内や説明をよく読んだり、これで予約された方の情報を自分で集めてみるのが良いかと思います。
以上でインターネット予約は終了です。
チケット確認
購入したチケットに記載されている以下の2つの内容を必ず確認します。絶対に確認しなきゃいけないのは現地(出発駅)の発車時刻です。どこで買ってもチケットにはモスクワ時刻で発車時刻が記載されています。ロシアは世界一広い国で、国内で最大10時間の時差がありますので、必ずチケット窓口で現地(出発駅)の発車時刻を尋ねて、乗り損ねないように注意しましょう。
- 現地(出発駅)の発車時刻
- クラス(車両の種類)
僕の場合はウラジオストクからイルクーツクに行く際、チケットの発車時刻は以下のように記載されていました。でも実際のウラジオストクの発車時刻は19時10分なので、それに合わせて駅に向かいました。
- チケット上の発車時刻(モスクワ時間):12時10分(2014年7月30日)
- 実際の発車時刻(ウラジオストク時間):19時10分(2014年7月30日)
以上でチケット確認は終了です。
乗車
現地(出発駅)の発車時刻に間に合うように余裕を持って駅に向かいます。ロシアはビザによる滞在日数がありますので、乗り損ねの無いように入場検査や乗車手続きの時間も含め発車時刻の2時間前、遅くとも1時間前には駅に着けると安心です。忘れ物等無いように注意しましょう。なお、駅に入った瞬間から時計は全てモスクワ時間です。待合室にある電光掲示板で、列車番号と出発ホームの番号を確認し指定のホームへ向かいましょう。
各車両には番号が振られています。チケットで車両番号を確認し指定の車両へ向かいます。各車両ごとに2名の専属車掌がいますので、自分の乗る車両の前でチケットとパスポートのチェックを受けて乗車します。チケットは乗車した後もチェックがあります。また、このチケットが滞在登録の代わりになるという話もありますので、必ず失くさずに出国まで保管しましょう。
以上で乗車は終了です。
シベリア鉄道内の様子
座席について
乗車したらチケットに記載の座席番号をもとに自分の席を探します。各座席にはナンバープレートで番号が振られています。大きな荷物は下段席の収納スペースに入れることもできます。
昼間はテーブルで夜は折りたたんでベッドになる席もあります。
敷き布団は座席に置いてあるか、または一箇所に集められているものを取って使います。車掌からはシーツとブランケットと枕カバーとタオルが配られます。また希望者は毛布の用意もあるようでした。
シャワーについて
シャワー室はありません。僕は洗面所でタオルを濡らしトイレの中で体を拭いたりしていました。使い捨てのウェットティッシュなどを用意していくと体を拭けてさっぱりして便利です。
食事について
車内には無料で使えるグラスがあり、車掌に「スタカーン(グラス)ください」とお願いすれば借りれます。それとは別に、自前でフォークやナイフなどのカトラリーを持っていると食事をする際に便利だと思います。
食堂車があるのでそこで食事をとることができます。僕は、高い割に美味しく無いという噂を聞いたので行かなかったのですが、今は後悔しています。そんなことは実際に食べてみてから言うべきことでした。
3等の車内では乗客は食べ物を大量に持ち込んでいました。それを見た僕は、ロシアのおばさんたちがそうしているのだから、それが一番経済的なのだろうと思いました。停車駅には大体売店があったので、食料品を買い足すこともできます。ですが僕は「こっちにおいで、これ食べな食べな」とみなさんにご馳走になり、自分の買った食料すら食べきれませんでした。
各車両ごとにサモワールという給湯器が備え付けられています。グラスは無料で使えますから、これでお茶やコーヒーを飲んだり、カップラーメンを作って食べることができます。乗客のみなさんは基本的にはお茶も砂糖も大量に持っていて、しかも交換したりあまったらくれるのでいろんな味のお茶を楽しめました。
僕もカップラーメンを食べたりしたのですが、ロシアで買ったカップラーメンの中には、プラスチックのフォークが入っています。食べるのにとても便利でした。そして一番好きだったのが、このポテトのピューレ。もう一度食べたいくらい美味しかったです。
特産品について
バイカル湖を通過するときは、駅でオームリ(バイカル湖の魚)を売っていたりと、その地域ごとの特産品を駅で売っていたりします。長い鉄道の旅ですから、記念に何か買ってみるのもいいかと思います。
酒について
座席のテーブルの下には栓抜きがあって、いつでもお酒が飲めるようになっています。ロシアの方は本当にお酒が好きで、また強いです。僕も乗車中誘われて酒をたくさん飲みました。指で首を鳴らすのは「一緒に酒飲もうぜ!」の合図です。もちろんウォッカもちゃんといただきました。でも、悪酔いをして他の乗客に絡んでくる人や、吐いたりするような人は一人も見かけませんでした。ゴミも基本的に自分たちで片付けていました。
充電について
車両内には2箇所コンセントがあります。スマホやデジカメの充電ができました。プラグはヨーロッパCタイプです。
トイレについて
トイレについては要注意です、使える時間が限定されています。トイレは落下式のものなので、停車中と停車前後の30分程度は車掌が鍵をかけて入れなくなります。つまり、走行中しか使えません。停車中に駅のトイレを使えば良いとも思いますが、いつ発車するかよく分からないと列車から離れるのも不安だと思いますので、基本的にトイレには行きたくなる前に念のため行っておくのがベストです。
感想
シベリア鉄道のチケット購入はそんなに難しいことはありませんでした。僕が旅した7〜8月もロシアの観光シーズンだと思うのですが、3等なら前日に駅でチケットを買っても問題ありませんでした。2等はもう少し余裕を持って購入されるのが良いのかもしれませんが、3等も悪くはないですから基本的に移動できなくなることはないんじゃないかと思います。
ウラジオストからモスクワまで飛行機で約8時間半です。「同じ距離を移動する」、やることは一緒です。だけどそれに約168時間費やして、9,259kmを一週間かけてシベリア鉄道で走る。世界一広い国ロシアを鉄道で横断する。「それ意味あるんですか?何得られるんですか?」と聞かれそうだけど、別に意味なんかなくたっていいんだ、得られるものなんか知らねぇ。「で、どうだった?」って聞くなら「あんな最高の旅はない」と答えます。遅ければ遅いほど見えるものもありました。
もしまた乗る機会があれば冬に凍ったバイカル湖も見てみたいし、モンゴルを抜けて北京へ抜けるルートも良いなぁと思います。あっそれよりも、次こそは食堂車で窓の外の景色を眺めながらご飯ですね。
それではロマンあふれる良い旅を。
Good luck!
持っていくと便利なもの
女一匹シベリア鉄道の旅
女一匹冬のシベリア鉄道の旅
地球の歩き方 シベリア鉄道とサハリン
A32 地球の歩き方 シベリア&シベリア鉄道とサハリン 2017~2018