聖ワシリイ大聖堂のテトリスドーム
赤の広場には聖ワシリイ大聖堂を見るため来た。1990年にユネスコの世界遺産に登録されたロシアの聖堂で最も美しい建物だそうだが、僕のイメージでは昔のテトリスに出てたあの変な玉ねぎ屋根の建物のこと。それにテトリスはロシア語だから、やはりロシアは身近だ。
でも、実際に見てみるとゲームと違ってカラフルで、玉ねぎ型の屋根も面白いというか可愛らしい形で素敵な建築だった。すぐにモスクワでいちばん好きな場所になった。早速、入口付近のチケット売り場でチケットを買って中に入ってみることに。
一つのドーム屋根の建物が一つの教会となり、中央の主聖堂を囲んで八つの小聖堂と合わせて合計九つからなるのが、この聖ワシリイ大聖堂。聖堂入口の階段を登って中に入ると薄暗く、通路は入り組んでおり迷路のようになっていた。そこまで混んでいなかったので、その時は通りやすかったけれど、混雑すると少し動きづらいかもしれないと思った。
中には昔の様子や、聖堂の設計図面、ドーム屋根のパーツのようなものも展示されてました。
主聖堂のイコノスタシスは荘厳な感じがあり、その場の空気は1560年に建てられたこの聖堂の歴史を感じさせた。
聖教具のようなものも展示されていて、派手だな〜とかこれで殴られたら痛そうだなと思ったり。展示室のお姉さんはお疲れなのか、少し退屈そうに外を眺めていた。
日当たりの関係なのか色使いからかはよくわからないが、他の聖堂の中は明るい雰囲気の場所もあった。天井の螺旋模様は、屋根の外観のデザインに関係しているのだろうか。
聖堂内にあった椅子で休んだりしてゆっくり見て回って約1時間半ほどで外に出てきた。相変わらず、歴史的なものにはあまり興味がないけれど、ロシア正教はあまり馴染みもないので新鮮で面白かった。
そしてやっぱりロシアの建物は形が面白い。ロシアに来る以前は、もっと無味乾燥なものかと思っていたけれど、配色の豊かさには驚かされるばかりだ。本当に空に映えると思う。
しばらく聖ワシリイ大聖堂を眺めてその場を後にした僕は、グム百貨店の前の街路樹の下を歩いて出口へ向かった。百貨店のオープンテラスは、ランチを楽しむ人で賑わっていた。
黄色く変わった葉を見た僕は、この秋は一体どこにいるのだろうかと、そんなとりとめもないことを考えた。
つづく