バルト三国最後の国へ【再会と再別の日拉逆転編完結】
今日は平日なのでロディオンは仕事があるため、朝食を取って朝8時にはロディオンの家を出た。雨が降ってたので途中でトラムに乗ってバスターミナルに向かった。バスターミナルに着いて、バスチケットを買いにバス会社を探したらLUX ExpressとECOLINESのチケットオフィスがあって、僕は正直どっちでもよかったけど、ロディオンがECOLINESを勧めたもあって今回はECOLINESのバスで行くことにした。
窓口のおばちゃんに「いつが良い?」と聞かれて「今日の13時」「今日!?」「ええ、今日ですとも」別にそんな驚くことかなと、そんな感じでシャウレイまで約2時間の旅のチケットは簡単に手に入った。
「助かったよ親切に色々ありがとう」とロディオンに言うと、チケットが買えて安心したのか「じゃあそろそろ仕事に行くね」と言い「出勤遅刻しないか?大丈夫か?」と聞いたら「全然、大丈夫だよ。会社の人たちはパーティで会ってるからニノのこと知ってるし、見送ってから出勤するって伝えてあるんだ」「そうだったのか、みんなにもありがとうと伝えといてくれ」「わかった」「それじゃあロディオンも元気で、またな」と言って握手をして別れた。ロディオンがバスターミナルから出るのを見送って、僕はまた一人になって待合スペースへ行った。
ベンチに座っていたけどバスの出発まで時間があるので、あまりに暇すぎたから少し付近を探検してみることにした。バスターミナルの中を歩き回ってみると、二階には宿泊スペースのような場所があったり、中央市場が見えるカフェもあった。
そう言えば昼飯を用意していなかったので、中央市場まで足を伸ばしてみることにした。一階に降りて建物の外に出る途中、インフォメーションセンターを見つけて、今更ながら記念にフリーマップをもらっておいた。
中央市場のドームの中に入ると、雨の日にも関わらず、たくさんのお客で賑わっていた。パン屋を探して歩きながら案内版を見ると「ALKOHOLISKIE」という看板もあって、ふむ相当好きそうだなと思った。
やっぱりここは基本的に何でもある。たくさん買えばたくさん買うだけ得なんだろうけど、一人旅だとかさばって重くもなり、なかなかそれが難しいのが残念。
歩いているとパン屋を見つけたので昼ご飯用のパンを買い、近くにあったお店でコーラを買った。これでバスのチケットも昼ご飯も無事に両方手に入ったので、バスターミナルの待合スペースへ戻った。
バスを待っている間にお腹がすいてきたので、さっき買ったパンをさっそく食べることにした。飲み物はコカ・コーラではなく、なんか安かったから買ったコーラ、多分ラトビアのコーラなのかもしれない。味は少し違うけど、これはこれで旨く、色んな国のコーラを飲み歩く旅も面白いかなと思った。
昼ご飯も食べ終わり、いよいよバスを待つだけになった。それにしても最近、出発の時は雨ばかりだ。運良く降ってる時は外にいないけど、バルト三国の天気は本当に変わりやすい。時間になったので指定のプラトフォームへ行くと雨の中ECOLINESのバスが停まっていた。
バックパックを預けてタグをもらい、チケットとパスポートを見せてバスに乗り、時間通りスムーズにリトアニアに向けてバスは発進した。
当たり前のことだけど、非常に快適な旅が続いている。トラブルはないにこしたことがない。これがアルトゥーと初めて会ったインドならバスが4時間経っても来なくて、もう来なさすぎて「バス来な〜いバス来な〜い♪全然来な〜い♫」と暑さにもやられて少しおかしくなり、バイクに乗りながら現地の子どもたちと歌っちゃったくらいだけど、そんなこともない。実に素晴らしいことだ。
窓の外を眺めていると、アルトゥーと一緒に歩いたイェルガヴァの川沿いの公園が見えた。アルトゥーはもう安泰寺に着けただろうか。ロディオンは今頃昼休みだろうか。日本にいる家族や友人たちはどうしているだろうか。
日本を発ってからちょうど1ヶ月が経った。早いような遅いような、とにかくこの1ヶ月の間に随分と色々なことがあった。改めて思う、僕の旅の目的、そんなものはあるのか。でも、次に目指すべき場所だけは分かっている、フローレンス。そこにたどり着くまでの成り行きの旅は、まだまだ先が長そうだな。
【再会と再別の日拉逆転編】
おわり