モスクワ初日は軍の食事

ロシア軍の携行食ボックス

アルパーツカヤを出て、交差点の地下道を抜けニキーツキー並木通りを進む。「この並木通りは秋にはとても綺麗になるんだろう」そう思いながら歩いた。

 

僕はボリシャヤ・ニキーツカヤ通りの安宿を目指した。少し喉が渇いたので、バックパックのサイドポケットに入れていた炭酸水のペットボトルを取ろうとしたら落としてしまったのか、どこかで失くしてしまったみたいだ。飲みかけの炭酸水だ、まさか盗む奴もいないだろう。

 

交差点地下道

交差点地下道

 

ニキーツキー並木通り

ニキーツキー並木通り

 

プーシキン記念碑の椅子に座って、イルクーツクのディマの家で予約した宿の地図を確認した。これがプーシキンって未だによく知らないんだけど、ユリアが「モスクワに行ったら絶対にプーシキンの博物館に行ってね、彼は偉大だわ!」と、散々言ってたあれか。

 

プーシキン記念碑

プーシキン記念碑

 

とはいえ今はプーシキンより宿。地図に沿って道を歩いていると、それらしい看板を見つけることができた。

 

予約した宿の看板?

予約した宿の看板?

 

OK!中に入ろう。

 

予約した宿?

予約した宿?

 

入口で呼び鈴を鳴らしたが反応がなく、バックでボタンを押し続けて5分くらい鳴らしてみても、一向に誰も出てくる気配がなく、全然OKじゃない。

 

予約した宿の入口?

予約した宿の入口?

 

「おかしいな」と入口の前に座って眺めていたら、隣の建物から出てきたロシア人のおじさんが「どうしたの?」と声をかけてくれた。「この住所の宿を探しているんです」と地図を見せると「ここの住所じゃないな〜、近くまで送って行ってあげるよ」というので「スパシーバ」と付いていくと、大通りを抜けてプーシキン記念碑に戻ってきてしまった。

 

ここでおじさんは近くにいたロシア人のお姉さんに「この宿の位置わかる?」と聞いて今度はお姉さんはスマホで住所を検索して教えてくれた。二人に「どうやらあっちのボリシャヤ・ニキーツキー通りを進んで、2ブロック目付近の左手側みたい」と教えてもらった。

 

しばらく左手側を見ながら歩いていると「ん?ここ?かな〜?」という貼り紙を見つけた。ドアにはマットが挟まれてて、いつも半開きの状態になっていたからセキリュティ的に心配になった。でも、安宿にセキリュティ求めるなんて笑ってしまう。

 

さっそく階段を登って受付に行き予約を確認してもらいチェックイン。明日すぐに他の宿を探すのはしんどそうだったので、明日も泊まれるか聞いたら空いていたので、とりあえず二日ここにいることにした。「とにかく久しぶりのベッドだ料理だ風呂だ!」荷物を置いてシャワーを浴び、宿の人にはランドリーサービスをお願いした。

 

予約していた宿の入口

予約していた宿の入口

 

宿の目印

宿の目印

 

共有スペースでお茶を飲んで一息つくと「なんかもう今日は出かけるのめんどくさいな」と億劫になってしまい、今日は宿でイルクーツクを出てからモスクワまでの写真データバックアップと、日記の更新をすることにした。日記は時間を見つけて書いていたのですぐ終わったが、たくさん写真を撮ってたのでデータのバックアップの方が思いの他時間がかかってしまった。

 

ひと段落すると、お腹もすいてきたので夕飯をどうしようか考えた。「まだ日は明るいから外に食べに行ってもいいけど、そういえばエディック達にこれもらってたんだ」とバックパックの中からロシア軍の携行食ボックスを取り出した。

 

もらったロシア軍の携行食ボックスとベルト

もらったロシア軍の携行食ボックスとベルト

 

エディックやジュナたちは今はどこで何をしているのかなと、つい昨日のことなのに懐かしくなってしまった。

 

メッセージを書いてプレゼントでもらったベルト

メッセージを書いてプレゼントでもらったベルト

 

さて「この箱は一体何が入ってるんだろ?」とりあえず書かれてる文字は読めないから、内容はよく分からない。裏面を読んでも、何日分なのかすらわからない。

 

携行食ボックスの裏面

携行食ボックスの裏面

 

「まぁ、とりあえず開けてみるか」と箱の上から開いて中身を取り出すと、整頓して入ってるもんだなと少し感心してしまった。

 

携行食ボックスの中身

携行食ボックスの中身

 

きっちり入ってた

きっちり入ってた

 

更にどんなものが入ってるか調べてみると、意外に結構いろんなものが入っていた。マッチや簡易燃料があるから、これで何か温めて食うものもあるんだろう。いや、わからないけど。

 

これだけ入っていた

これだけ入っていた

 

くれた人たちかくれた人たちなので、当然なんだけど、思った以上に軍用で少しひいてしまった。それになんか量も多いし。さすがロシア軍。

 

まじまじと眺めていたら、これに興味を持ったのか掃除をしていたグリアナさんと、他のテーブルで食事を取っていたケイトが寄ってきて「何これ?」と聞いてきた。「あ〜なんか軍の人と友達になったからもらった」「どういうこと!?」。予想通りのリアクションに、多分僕でもそう言っただろう。

 

「せっかくだから食べてみる?」とチョコレートっぽいものを三人で分けて食べてみた。「うん、あまり美味しくはない」続いて本日の夕食にと、クラッカーとお肉とスープ?ソース?のようなものを食べた。これが僕の記念すべきモスクワ初の食事。

 

モスクワ初の食事

モスクワ初の食事

 

ある意味では貴重な食事

ある意味では貴重な食事

 

「おっ!これは!?」

 

「うん。やっぱりあまり美味しくない。栄養を取るためだけの食物、そういった感じがするな」宿に備え付けのポットでブルーベリーティーを作り、角砂糖を三ついれて胃に流し込んだ。

 

ご飯を食べ終え「ある意味では貴重ではあるのだが、まいったなこれは、友達のプレゼントだから捨てる気は無いけど、ちょっとこの食事が続くと辛いぞ」と呆然としていた。しかも何日続くかよくわからないし。

 

ベットに横になると今日までの緊張が解けたのか、どっと疲れが出たような気がした。久しぶりにメールをチェックすると、受信メールが溜まっていたので、寝ながら一つずつチェックしていった。その中にライティスからのメールが入っていたので返信をしておいた。

 

「ニノ、今どこだい?俺は8月18日からイタリアへ、アルトゥーもその数日後くらいに日本へ行くかもしれない。近くまで来たら連絡してくれ、良かったら家に泊まっても平気だ。久しぶりに会えるのを楽しみにしている」

 

「そうか、ライティスはイタリアへ行くのか」もし二人に再会できたら、会うのはどれくらいぶりだろうか。

 

つづく

コメントを残す