猫もやっぱりロシア語?サンクトペテルブルグ到着
朝起きると隣のコンパートメントの猫も起きていた「ロシア育ちの猫もやはり日本語は通じないんだろうか?」と疑問に思ったので「おはよう」と試しに声をかけてみる。無視された。「ん?あれ、お前今ちょっとこっち見たろ?」…僕は一体何をしているのだ。洗面所で歯を磨き顔を洗ってコンパートメントに戻ると、アンナおばさんが朝ごはんの用意をしていて「一緒に食べない?」と言ってくれたので「じゃあ、いただきます」とパンとチョコレートとお茶を頂いた。ヴィッキーはまだ寝てるみたいだ、アンナおばさんは娘さんとサンクトペテルブルグへ行く途中で、娘さんもまだ寝ているみたいだった。
ヴィッキーがやっと起きてきたと思ったら、同じコンパートメントのサーシャさんとロマさん、アンナおばさんの娘さんのアーニャちゃんとトランプを使ったカードゲームを始めた。
「何だろうそのゲーム?」とアンナおばさんとお茶を飲みながら見ていたら、ヴィッキーとロマさんが僕に「試しにやってみる?」と聞いてきたので「初めてですがやってみます」とヴィッキーにやり方を教わりながら『ドゥラーク』というトランプのゲームをやってみた。
『ドゥラーク』は見ていた限りでは『大貧民』に近いゲームだったから、何となくやり方がわかったのでヴィッキーのサポートとビギナーズラックで勝てた。2回やって2回勝てたのだから運がよかった。
モスクワからサンクトペテルブルグまでは寝て起きて10時間程度だった。ウラジオストクからモスクワまで来た時間を考えれば、あっという間に着いてしまった。サンクトペテルブルグのモスクワヴァグザールのホームでみんなにお別れを言って、ヴィッキーを迎えに来たイリーナと三人で駅の外まで行って、ヴィッキーたちともそこで別れた。
早速、予約していた宿に向かおうと歩いてはみたものの、途中で道が分からなくなって地図を見ていたら、ちょうど銀行から出てきたレナさんという方が日本語で道順を教えてくれて「何で日本語ができるんですか?」と聞いてみたら「日本で働いてた時に覚えたの」と言っていた「おかげさまで助かりました」も通じた。とにかく無事に宿に着くことができた。
宿は大通りもメトロも近かったので初めは利便性だけで選んだけれど、実際に行ってみるとフロアも部屋の中もバス・トイレも綺麗で清潔だったし、洗濯施設も乾燥機付きで整っていた。キッチンも整理整頓されていて、何よりお代わり自由朝食とお茶・コーヒーが好きな時にタダで飲めたのでとても嬉しかった。スタッフも親切だったので、なかなかお得な良いところを引き当てた。
受付でチェックインを済ませてスタッフの、ジナさんに「サンクトペテルブルグには何日滞在しますか?」と尋ねられたので「とりあえず3日くらいかなぁ?でも最低3日はいます」と伝えると「では滞在登録が必要ですね」ということで手続きをしてもらった。モスクワでは「7日以上同じ都市にいなければ滞在登録は必要ないです」と言われてたので少し不思議だったが、もしかしたら決まりが統一されてないのかもしれない、出国時に何か言われたらその時はその時だ。
部屋に戻って荷物を片付け、同室のベラルーシから来たミーチャに挨拶をして、シャワーを浴びて洗濯をしたランドリーが無料だったのはなかなか助かる、乾燥機があるので乾くのを気にする必要もないのも良い。
シュガーポット周りに砂糖一粒こぼれた感じもなくて「すごいな」と感心してしまった。個人的にではあるけれどキッチンが整理整頓されている、特にスプーンやフォークなどのカトラリー類までしっかり手が行き届いている宿はだいたい良い宿だと思う。安宿に泊まってる身なので値段相応だと思っているから、やれ汚いとかアホみたいに文句を言ったりしないけど、そんな中でもこういうのを見ると少し嬉しかったりする。
所持金の確認と明日以降に行く観光名所のチェックを済ませると夕方になっていた。疲れも特にないので、少し街を散歩しようと外に出かけてみることにした。
つづく