バルト三国第一の国エストニア

タリンバスターミナル入口

ロシアのサンクトペテルブルグから僕を乗せたバスは、ナルバの国境を越えてエストニアに入り、フィンランド湾沿いを走っていた。窓の外には発電用の風車がいくつも見えた、風力発電を推進しているのだろうか。

 

発電用風車

発電用風車

 

バスは予定通りにエストニアの首都タリンのバスターミナルに到着した。北欧に近いからか、バルト海の海風のせいか、少し肌寒さを感じたので上着を一枚羽織ることにした。そして乗ってきたバスは乗客と荷物を降ろすと、また次の目的地に向かって行ってしまった。

 

タリンバスターミナル

タリンバスターミナル

 

出発するLux Expressのバス

出発するLux Expressのバス

 

現在地の確認に今日の宿の予約、それよりもエストニアで使うお金を用意しなければいけないので一先ずバスターミナルの中に入ると、バスターミナルは小さいながらにとてもきれいな作りで、清掃のおばちゃんがせっせと掃除をしていた。

 

タリンバスターミナル内

タリンバスターミナル内

 

売店を見つけたので入って値札を見てみると全てユーロ表記だった。そうかここからもうユーロ圏なのかと思った。それでも試しにロシアから持ち出してしまった200ルーブル紙幣を使えないか聞いてみると、売店のお姉さんに「No」と一言英語で言われてしまった。愛想のない感じだったが、そんなことよりも英語が通じることが少し嬉しかった。

 

キオスク

キオスク

 

仕方がないのでこの200ルーブル紙幣はどこかで両替することにして、バスターミナル内のATMでユーロ紙幣を下ろした。バスターミナルの中はパスワードフリーのWi-Fiが使えたので、荷物を降ろしてベンチに座り、タリンの主要観光地と公共都市交通に近そうな安宿を見つけネットで予約した。無事に予約も終わったので、さっき行った売店に戻りレットブルを買って一気に飲み干した。

 

エストニアのレッドブル

エストニアのレッドブル

 

「さぁ、宿まで行くか!」と地図を見てみた。目的地はタリンのオールドタウン内にある宿で、最寄りの公共交通機関は鉄道駅のBalti jaam。「jaam」の意味はわからなかったけど、ここがAuto bussi jaamなんだから地図の記号を見る限り、まぁ列車ターミナルだろう。もし次の国に列車で行くことになっても、この近くに宿を取っておくのが便利だと思った。

 

タリンバスターミナル内の地図

タリンバスターミナル内の地図

 

鉄道駅だから市内バスも通ってるだろうと思って、そこまで行く市内バスの番号を確認してみると、21・21B・59と4・5・7番のバスがBalti jaamまで行くみたいだったが、バスターミナルから一本で行けるバスなのかが分からなかった。

 

市内バスの運行ルート

市内バスの運行ルート

 

近くにいた清掃のおばちゃんに聞いてみたら「ここのバスターミナルを出てすぐの大通りから42番の市内バスに乗れば良いのよ」と教えてくれた。「42番?」地図を見返しても42は見つからなかった。それでも、おばちゃんは仕事を中断してバスターミナルの外まで来てくれて「あの通りから42番よ」と親切に案内までしてくれた、なら42番なのだろう。お礼を言ってとにかく行ってみることにした。

 

タリンバスターミナル入口

タリンバスターミナル入口

 

タリンバスターミナル出て直ぐの大通り

タリンバスターミナル出て直ぐの大通り

 

すぐ見つけたバス停で10分ほど待つと42番のバスが来たので、車内で1.6ユーロ払ってチケットを買って乗った。

 

Baltijaam前のバス停

Baltijaam前のバス停

 

しばらくバスに乗っていると「Balti jaam」と言うアナウンスが流れたのでバスを降りた。「サンキューおばちゃん」バスはおばちゃんの言ってた通りBalti jaam付近のバス停に停まった。

 

Baltijaam付近の地図

Baltijaam付近の地図

 

ここからオールドタウン内のLAI通りにある宿へ向かって歩いて行った。通りには住所案内が掲げられていて、迷うことなく直ぐに宿にたどり着くことができた。

 

壁の住所案内板

壁の住所案内板

 

早速、宿に入ろうと呼び鈴を鳴らそうとしたら、後ろから3人組のバックパッカー風の旅行者に声をかけられた。その中の一人に「そこってこの宿?」と聞かれたので「ん?ああ、そうだよ」「あなた予約してる?」「予約してるよ」「私たち予約してないんだけど泊まれるかな〜?」そう言うと3人は「どうしようか、他にする?」と相談し始めた。

 

「とりあえず入って泊まれるか聞いてみたら?時間的には夜も遅いし、もし泊まれないならここで他の宿を紹介してもらうなり、ネットを一時的に借りて調べてみるなりすればいいんじゃない?宿泊客じゃなきゃネット使えないって言うなら、僕が調べてやるよ、それなら文句はないだろう。んじゃ行こうぜ」

 

結局、この日は満室で3人はここに泊まれなかったけど、受付の人が近くに同じような感じの宿を探して電話で予約してくれて、3人はまた明日ここに移ってくることになった。

 

「まぁ良かったな、え〜と名前なんだっけ?」「俺はジョアオ、こっちはタイースとガブリエル、ブラジルから来たんだ」「ガブリエル?それは天使の名前だな。よろしく、僕はニノと呼んでくれ、ニックネームだけど友達はそう呼ぶ、日本人だ。それじゃあ縁があったらまた明日」と3人とは宿のフロントで別れて僕はチェックインを済ませた。

 

部屋に荷物を置いて、受付スタッフのブラジル人のマイコンに無料の地図をもらい、最寄りのスーパーマーケットと周辺の観光場所を教えて貰った。今日はもう遅いので観光は明日にして、Balti jaam近くのスーパーマーケットに今夜と明日の朝の食事を買いに行った。

 

Balti jaam近くのスーパーマーケット

Balti jaam近くのスーパーマーケット

 

スーパーマーケットの中

スーパーマーケットの中

 

ロシアとは違い、日本のメーカーの食材は見当たらなかった。宿にはキッチンがあったけど、今夜は作る気力がなかったので、出来合いのものを買って帰った。

 

日本の食材?

日本の食材?

 

オールドタウンの城塞の中に戻る途中、ライトアップされた城壁が見えたり、もう今日は閉店してしまったアトリエの窓のところにはタリンが描かれていた絵が飾ってあった。

 

タリン城壁

タリン城壁

 

アトリエ

アトリエ

 

外灯に照らされたタリンのオールドタウンの石畳の通りを歩きながら、この街にどこか落ち着きと静けさを感じた。

 

オールドタウン内の夜の通り

オールドタウン内の夜の通り

 

宿に戻り買ってきたものを整理して食べようとしたら、ダイニングがものすごくうるさかったので何かと思って受付のマイコンに聞いてみたら「今夜は泊まってる若者旅行者たちがダイニングでパーティをやってるんだ」と。

 

「パーリピーポーどもめ外でやれや」と思いながらマイコンの顔をみると、彼もうんざりしているような表情をしていたので心中お察しして、部屋で飲食ができないのは知っていたが「すぐに食べ終えるから今夜は部屋で夕飯を食べてもいい?」とマイコンに尋ねたら「仕方ないからいいよ」とOKしてくれた。

 

夕飯

夕飯

 

階下からの騒音で振動が響く部屋で夕飯を食べながら、宿でもらった観光地図にタリンで行ってみたい場所を書き込んだ。

 

宿でもらった無料の観光地図

宿でもらった無料の観光地図

 

スマホやデジカメの充電をしようと思って、部屋の中にあったコンセントに差し込んでみたがうまく充電できず「おかしいな、故障かな?」と、ベッドに寝ていた同室の女の子に「英語話せる?」と聞いてみると「フランス人だけど話せるよ」「あのコンセント使える?」「うん。できるよ、見るからちょっと待って」「すまん、助かる」と行って先にコンセントのそばに行ってしゃがんで「これなんだけど」と振り返ると、タンクトップとパンツ一枚の女の子が後ろにいて「ちょっまっ、フランス!え〜!?」と動揺する僕を尻目に、その子はしゃがみ込んで「ばかっ、しゃがむな見えるだろうが!?」「ほら、できた」と緑色に点灯したデジカメの充電ランプを見せた「おっおう、ありがとう」「どういたしたまして」そう言うと彼女は、また布団に戻り寝てしまった。

 

「どうなってんだヨーロッパは」と、この先の旅が少し思いやられた。

 

つづく

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