メガネ!メガネ?聖イサアク大聖堂からの眺め
宿で知り合ったヴィキさんと一緒に少し遅めの朝ごはんを食べてから、昨日失くしたメガネが届いているかフロントに確認しに行ってみると、ちょうどフロントスタッフのジナと清掃スタッフのおばさんが話しているところだった。「ジナさんメガネありましたか?」「はい、メガネが一つありましたが、これですか?」そう言って届けられたメガネは僕のだった「ありがとうございます」と言った次の瞬間、清掃スタッフのおばさんが僕に何か言い始め、それを咎めたジナさんと突然ロシア語で言い争いを始めてしまった。
「一体何事だろう?」訳もわからず聞いていると、隣にいたヴィキさんが「そのメガネが忘れてあったシャワー室の鏡の備え付けのソープディスペンサーが壊れていたから、ニノが壊したんじゃないかって疑われてて弁償させてほしいって」「はい〜!?」「フロントスタッフの人は、この人はただメガネを探してただけだから違うと思うわって説明してる」「なるほど」
ジナさんもヴィキさんも僕が昨日からメガネを失くして探していたのを知っていたので、清掃スタッフのおばさんに事情を説明してフォローしてくれた。僕は僕で「壊れたソープディスペンサーのことは知りません、僕は失くしたメガネを探していただけです」と説明し、加えて「壊す必要もありませんし、もし僕が壊したとしても自分のメガネを置いていく理由はないですし、そんな証拠を置いていくような真似いくらなんでも間抜けすぎます、僕はそこまで馬鹿じゃない」と伝えたら納得してくれた。
こうして無事メガネも見つかったので出かける準備をしていたら、ヴィキが「今日はどこに行くの?」と聞いてきて「とりあえず駅の側のツーリストインフォメーンにでも行ってから、昼ごはんでも食べて聖イサアク大聖堂に行く」と言ったら「じゃあ途中まで一緒に行こう」ということになった。ツーリストインフォメーションに着いたら、休日のためまだ開いていなかったので「じゃあお昼ご飯をたべよう」と言うヴィキさんに付いて駅構内のカフェに。
おすすめがチキンと米って。自分の分を先に食べ終わったヴィキさんは、じゃべり出したら止まらず、自分の世界に入ってしまい延々としゃべり続けていた。内容的にはそれほど意味もなさそうだったので、僕は「うんうん」と適当に頷きながらご飯を食べていた。
ご飯も食べ終わり、ツーリストインフォメーシでサンクトペテルブルグの地図をもらい、ついでに隣国へ出国する際はどこに行けば良いのかを教えてもらった。ヴィキさんと聖イサアク大聖堂まで来たら「それじゃあ私は、少し見に行きたいところがあるので、また夕ご飯でも一緒に食べようね」と言ってどこかへ行ってしまった。
聖イサアク聖堂の周りには、たくさんのツアーバスが停まっていて、そのバスの国旗を見ると世界各地からロシアに観光客が訪れているような感じだった。チケット売り場に並んで、聖堂入場料の250ルーブルと、展望台入場料の150ルーブルを払って中へ。
聖堂内に入ると奥に綺麗なステンドグラスが見えたので、近くに行ってよく見てみることにした。聖堂内を歩いていると、ここは今まで見てきたロシア正教の建物とは少し雰囲気が違うような気がした。
聖堂内中央から真上を眺めると、丸屋根の内側にカルル・ブリュロフの『聖母マリアの栄誉』描かれていて「お〜なんか迫力あるな〜」と美しさを感じてしばらく立ち止まってしまった。
聖堂内を見終わると、入口隣の螺旋階段を上って展望台に行った。展望台にはけっこう人がいたけれど、通路の幅が少し広かったのでゆったりとサンクトペテルブルグの街並みを眺めることができた。
昨日行ったエルミタージュ美術館、地の上の救世主教会、これから行く予定のクンストカメラとペトロバウロフスク要塞を見下ろし、ネヴァ川を進む船をぼ〜っと眺めて過ごした。
展望台を丸屋根づたいにぐるっと回って階段を降りて外に出ると、さっき確認したクンストカメラのある辺りへ歩いて行った。
つづく