うさぎ島ペトロパヴロフスク要塞
ペトロパヴロフスク要塞に向かって歩いてる途中、空に絵を描いているようなおじさんを見つけて、後ろから写真を撮った。今日は晴れててよかったな。
これから向かうペトロパヴロフスク要塞はサンクトペテルブルグ発祥の地となっている。その昔ピョートル大帝がスウェーデンと戦うために、うさぎ島と呼ばれた小さな小島に要塞を建設したことがその由来にあたる、しかも実際は要塞としてではなく監獄として利用されたらしい。うさぎ島という可愛い名前の割に歴史が暗い。なお、ドストエフスキーもうさぎ島に投獄されていたみたい。
ネヴァ川ではジェットスキーを楽しんでる人もいた「この歴史的建築物のど真ん中エリアでマリンスポーツも楽しめるのかよ自由だな」と少しびっくりした。船の形をしたレストランもあった。
クンストカメラのあるヴァシリエフスキー島から、橋を渡ってペトログラードへ行き、そこからペトロパヴロフスク要塞へ入った。
入口の前の原っぱからヘリコプターでサンクトペテルブルグ上空の遊覧飛行ができるようで、ちょうど帰ってきた親子がいた。少し時間があったので、ヘリコプターが飛び立つまで、この原っぱに座って眺めていた。お父さんが頭にかぶってた王冠はバーガーキングのおまけだった。
飛び立ったのを見上げて、僕も要塞の中に入っていった。博物館などの施設を見るなら入場チケットを買わなきゃいけないけど、ここの敷地内を歩いて回るだけならただなので散歩するだけにした。
要塞内をぐるっと回った後は、ネヴァ門を通って城壁の外に出た。その時、城壁の上を歩いている人も見かけたので、どこかから登れるのだろう。門を出た先は水上バス乗り場になっていたので、各観光名所へフェリーで行けるのかもしれない。
城壁外の玉砂利の道を歩いて進むと、おじさんおばさんたちが遊泳を楽しんでいた。おばさんだったのが僕には少し残念に思われた。またいつかきっとチャンスはあるさ。
入ってきたニコリスク門からこの要塞のちょうど反対側のイオアンノフ門の入口付近まで歩いてきた。こちらの芝生では昼寝をしたり、鴨に餌をやったり、砂場で遊んだりとまったりした時間が流れていた。
そこそこ歩き疲れてきたので、ペトロパヴロフスク要塞を後にして、公園の中を歩いて最寄りのメトロゴーリコフスカヤへ。
たどり着いたメトロゴーリコフスカヤは、なんか宇宙船みたいだった。建物の中に入って、自販機で一回券のトークンを買ってゲートをくぐってホームへ。モスクワのメトロと同じで、ここでも地下深くまでエスカレーターを下った。
宿からここまで歩いてくるとめちゃくちゃ時間がかかったけれど、メトロだとあっという間に宿の最寄のメトロマヤコフスカヤまで帰ることができた。じゃメトロを使ったほうが良いかというと、それについては僕は別にどうでもいい。歩かなければ、遅くなければ見れないものも多分あると思う。
メトロマヤコフスカヤからネフスキー大通りに出て、観光客で賑わう通りを歩いていたら「あれ?今の?」と見覚えのある親子とすれ違ったので「アンナおばさん、アーニャちゃん」と後ろから声をかけた。
モスクワからサンクトペテルブルグくる列車で知り合った二人は振り返ると「あら〜ニノ、元気だった?今、どこにいるの?」「はい元気です。僕はこの通り沿いの宿に滞在しています。二人は、元気そうですね、買い物帰りですね」「そうよ」「ニノはサンクトペテルブルグの後はどこ行くの?」「まだ考え中だけど、ここからヨーロッパに向かおうと思ってるんだ」「そうなのね」「はい、二人にまた会えて嬉しかったです」「私たちもよ」「いつまでいるの?」「多分、明後日まで」「そっかじゃあもうすぐね」「うん。まぁでもこうして再会できたから、またどこかで会えるさ」しばらく立ち話をして、「またね」と言って二人と別れた。
食べ物を買って宿に戻り、昨日の夜メガネを探すのを手伝ってくれたミーチャにお礼を言おうと探してみたが「彼はもうチェックアウトしたよ」と代わりにいたガチムチの兄貴が教えてくれた。アンナおばさん達の連絡先をさっき運良く交換できただけに、言いたいことはとりあえず言える時に言っておくのが後悔しない秘訣だなと思った。
共有スペースのソファーに座り、ネットでサンクトペテルブルグからヨーロッパの行き方を調べていたら、デンマーク人のマークが「今日はどこ行ってたの?」と聞いてきたので今日のことを簡単に説明した。「今、何してんの?」「今はここからヨーロッパへの行き方を調べて…そう言えばお前ポーランドから友達とレンタカー借りてここまで来たって言ってたよな?」「ん?そうだよ」「バスでの行き方は?」「知ってるよ、このLux Expressってバスのサイトで調べればいいよ、これがバスが停まる場所の地図の見方だから、ここがサンクトペテルブルグのバス停になるな」「OK!サンキュー。明日、直接見に行ってみるよ」
ヴィキさんも帰ってきて、ご飯を食べながらまた今日の話が止まらない。それを適当に頷きながら聞いていた。ジナさんは今日は夜勤みたいで、受付で少し眠そうにしていた。
つづく