夕暮れの出港と出発の警告
2014年7月26日の18時30分。僕は韓国を経由してロシアへ向かう船に乗った。
部屋に荷物を置いて、出港予定時刻の19時までは、甲板から夕焼けを眺めていた。
そして家に最後の電話をかけたると母が出たので、無事に船に着いて、ちょうど今、出港前であることを告げた。「体に気をつけて、元気でね」と言ってくれた母に僕は「ダメだったら帰るだけだから心配する必要ないから、じゃあ行ってきます」とだけ答えた。
19時。汽笛は鳴り響き、船は境港を、日本を出た。徐々に日本の陸地から離れていく。国際旅客ターミナルも遠くなる。夏とはいえ船の上の海風は強い、少し肌寒さを感じさせた。
スマホの電波はだんだん弱くなり、ついには圏外になってしまった。この時、僕の旅は始まってしまったと感じた。もう戻ることはできない。月は東に日は西に。僕も西へ。
【世界一周の終わりの始まり編】
おわり