逆さまの日本地図とDBSクルーズフェリー

逆さまになった見慣れない日本地図

乗船の手続きをしようとしたら発券窓口はまだやってなかった。なんだかんだここまで何も食べずに来てしまったので、売店でパンを買い待合席で座って食べた。今から乗る船は、韓国の東海(トンへ)を経由してロシアのウラジオストクに向かう。建物の中は韓国人とロシア人ばかりだ。どちらの言葉も解らない。おまけにロシア語は全くの初めてだった。観光案内用のパンフレットも英語のものは見かけなかった気がする。

 

国際旅客ターミナルの待合室

国際旅客ターミナルの待合室

 

この二人はどこまで行くのだろう?

この二人はどこまで行くのだろう?

 

30分程経って発券窓口が開いたので、チケットの引き換えをしようと思ったら、すぐに列ができてしまった。そんなに人数も多くなかったけど、受付の女性が一人だったからか、結局僕の番まで1時間くらいかかった。その受付の女性は美人だった。ロシアは当たりかもしれないな。

 

チケット引き換え待ちの列

チケット引き換え待ちの列

 

ただ並んで待っていても仕方ないので、先に船で食べられるものを買っておくことにした。さっきの売店に戻りいくつか食べ物を買った。売店と言ってもテーブルを置いてパンを置いてあるだけの簡単なものだ。自販機で飲み物を買おうとしたら、隣のテーブルの両替係のおじさんに「どこまで行くの?」と声をかけられた。「ウラジオストクまで」と答えると「お茶飲む?」と聞かれたので「ありがとうございます」と頂いた、冷たくて旨かった。

 

話をしたてみたら両替係のおじさんは100ヶ国くらい旅行されているらしい。そんなにたくさん旅行して、この仕事に就けてるのもすごいなと思った。旅の話を聞いていたら発券窓口が空いてきたので、バックパックを見ててもらいチケットを受け取った。両替所に戻り、バックパックを担いだ。売店と両替所のおじさんとおばさんに「いってきます」と手を振り、乗船手続きの列に並んだ。

 

逆さまになった見慣れない日本地図

逆さまになった見慣れない日本地図

 

乗船手続きを待ちながら、僕は生まれて初めて日本が中心じゃなく、しかも逆さまな地図を見た。当たり前のことなのに違和感を感じた。例えばアメリカならアメリカが中心、ヨーロッパならヨーロッパが中心、そんな地図を今まで想像することすらしなかったんだ、それが僕の世界の捉え方だったんだと思う。

 

パスポートとチケットチェック、荷物検査を終えた僕は通路を歩いて施設の外へ出た。見上げると、目の前には客船が停まっていて、とても大きく感じた。

 

チケットの最終確認

チケットの最終確認

 

DBSクルーズフェリーの船体

DBSクルーズフェリーの船体

 

この船に乗り、僕はロシアを目指す。船員に急かされると、吊るされた乗船階段を登った。

 

つづく

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