コンクリートジャングルを行き交う人々は

東海道線の川崎駅にちょうど夜の10時に着いた。電車を降りて改札を抜けると仕事を終えて帰るサラリーマンで溢れている。僕はその流れに逆らい駅前のロータリーに出た。

(…何だろうあの人だかり?)

 

ストリートミュージシャンとサラリーマン

夜行バスの出発まではまだ時間があったので、駅前をゆっくり歩いていると、どうやらストリートミュージシャンが弾き語りをしていたようだ。そして、周りにいた人たちはその演奏を熱心に聴いていた。

音楽が素晴らしいのか、過去が懐かしいのか、自分が持っていないものへの憧れか、何を想ってそこに立ち止まっていたのかはよく分からないし、別になんとなくそこにいただけなのかもしれない。僕には特に感じるものも興味もなかった。ただ、立ち止まっている人は年配の方が多かったように見えた。

 

交差点の真ん中

バックパックを背負って横断歩道を渡ると、見上げた夜の川崎の景色に、やっぱりここもアジアの一角なんだと感じた。地べたに座ってたむろしている若者や作業着姿の労働者がいて、アーケード街は騒がしく、眩しかった。コンビニに入り、夜行バスの中でお腹が空いた時のための食べ物と飲み物を買ってからバス乗り場に向かった。

 

岡山行きの夜行バス

夜行バスを待っている人たちが見えたので、乗り場はすぐにわかった。列に並んでいるとバスが来て、添乗員の男性にチケットを渡し、指定された席に座った。座席は少し広めで快適そうな感じだった。久しぶりの夜行バス。車内にはたくさんの人がいて、「風林火山」とプリントされたTシャツを着た外国人やワイシャツ姿のサラリーマン、消灯後でも補助灯で読書していた女性、大学生くらいの男の子

(…彼は就活で地方の会社の面接にいくのだろうか?)

 

バスは時間通りに出発した。夜行バスだからか、カーテンは閉められていて外の様子はあまり見えない。しばらくして、車内は消灯し、反対車線を通る車のヘッドライトの光がバスの中を照らした。

(…今はどのあたりを走っているんだろうか?)

とりあえず僕は西へ向かっていった。

 

つづく

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